サーフィンは『今を生きる』とはどういう感覚なのかを教えてくれます。

 

自我が未発達の赤ちゃんや、または人間以外の動物というのは、もれなく『今この瞬間』を生きることができています。

 

赤ちゃんを見てもらえば分かりやすいですが、さっきまで泣きわめいてたかと思うと、抱きかかえた瞬間、さっきまでの号泣が嘘のように止まったりします。

放ったらかしにされてたことに対する執着もなければ、もちろん、未来に対する心配事もありません。

それが成長するに従って、やがて『自我』が生まれ、日常の煩雑さやら何やらで『今を生きる』という感覚が記憶の奥底へと押しやられてしまいます。

 

サーフィンから学べることはたくさんありますが、その一つが、この忘れ去られた『今を生きる』という感覚だと考えてます。

そもそも『今を生きる』とは?

人間の脳は放っておくと、自動的に過去か未来のことを考え始めます。

 

失恋を引きずって悲しみに暮れたり、老後を心配して思い悩んだり、または、昨日のスベったギャグに恥ずかしくなったり、晩ごはんは何にしようかと思案したり、そうやって僕らの意識は『今この瞬間』を離れて、過去と未来をウロウロ彷徨うのです。

 

これは自我の習性なので仕方のないことではありますが、そうは言っても、「仕方がない」という言葉で片付けて今を生きれていない自分を放置するのは、人間だけが持つ『理性』の力を十分に発揮できていないとも言えます。

理性の働きかけで『今この瞬間』に戻ってくる

実は過去や未来に引っ張られた意識を、『今この瞬間』に戻してあげることは可能だったりします。

 

それがヴィパッサナー瞑想マインドフルネス瞑想です。

マインドフルネスの方はアメリカで生まれたもので、ヴィパッサナー瞑想から宗教的側面を排除してエクササイズ化したものです。

Google の社員研修に採用されたことでも有名ですね。

 

双方共にエッセンスは『止観』(止めて観る)です。

マインドフルネスって何?

マサチューセッツ大学院教授で同マインドフルネスセンター創設所長であるジョン・カバット・ジンはこう語っています。

 

Mindfulness is awareness that arises through paying attention, on purpose,
in the present moment, non-judgementally to the unfolding 

「マインドフルネスとはジャッジを加えることなく、今この瞬間に

意図的に注意を向けることによって生じる気づきである」

 

 

日本マインドフルネス学会では、

 

今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価せずに、
とらわれのない状態で、ただ観ること。

をマインドフルネスの定義としています。

 

 

【ジャッジ・評価 = 思考】です。つまり、思考を止めることによって、物事をありのまま見ようとする行為がマインドフルネスなわけです。

 

『物事をありのまま見る』という視点には、未来も過去もありません。それは『今この瞬間』に、『今ここ』で起こっていることだからです。

過去も未来も手放して『今ここ』に意識を集中することができれば、脳のパフォーマンスが劇的に向上し、身体のキレも良くなります。

 

ヴィパッサナー瞑想やマインドフルネス瞑想は、

 

・意識のフォーカスを『今』に持ってくるための方法

・意識のベクトルを自分の内側から外側へと向けるトレーニング

・集中力を研ぎ澄ます訓練

 

と言うことができますね。

サーフィンが持つ特殊芸

ヴィパッサナー瞑想やマインドフルネス瞑想では、背筋正しく腰掛けて、思考を観察したり、呼吸に意識を向けたり、ボディスキャンをしたりするんですが、サーフィンではそんな七面倒くさいことをしなくても、わりとすんなり『マインドフルネス状態(今ここ状態)』になることができます。

【テイクオフ → マインドフルネス】というマジック

サーフィンではテイクオフした瞬間から、即マインドフルネスです。

もしかすると、テイクオフするための波を追いかけている時から、それは始まっているかもしれません。

 

そして、波に乗っているあの瞬間、あなたの意識はまさしく『今この瞬間』にあるはずです。全身をフルに使って『今ここ』で起こっていることを感じ取っているはずです。過去や未来について考えている余裕なんかありません。

 

サーファーならわかるはずです。『今この瞬間を生きる』ということが、どれだけスリリングでエキサイティングなことなのか。

 

この体験を求めてサーファーは、どれだけ波に巻かれても飽きもせずに何度もパドルアウトするんですね。

ビギナーだってマインドフルネス!

サーフィンの素晴らしいところは、サーフィンのレベルに関係なく誰でもマインドフルネス状態になれるというところです。

何なら初心者だって、初めてテイクオフした瞬間から『今この瞬間』を体験できるのです。

嫌なことがあっても海に入りさえすればスッキリする!?

余談ですが、サーファー同士の会話で、

 

「嫌なことがあっても海に入りさえすればスッキリする」

 

ってなことが話されてたりしますが、

僕個人としては、これはちょっと言い過ぎかなと感じてます。

 

「海ってどんだけプラシーボやねん!?」って感じです。苦笑

 

良い波に乗りさえすればスッキリするのは事実ですけどね。

まあ、モヤモヤ気分でマインドレス状態だと、そもそも良い波を取るのも一苦労だったりするので、この辺は心の修行だと捉えるといいですね。

あの感覚をよく憶えておく

サーフィンは、誰もが幼い頃には当たり前のように持っていた『今を生きる』という感覚を思い出させてくれます。レベルに関係なく、これだけ『今ここ状態』にスッと入れるスポーツって、あんまりないんじゃないかと思います。

とは言え、『今ここ』を感じるのがサーフィン中だけだと、「サーフィンから学ぶ」と言い切るにはちょっと足りませんね。

 

日常生活を『マインドフル状態』で生きるのは簡単なことではありません。

複雑なこの現代社会で今を生きるための最もシンプルな方法、それは『挑戦すること』です。

 

波に乗るのも一つの挑戦ですよね?

波に乗るための無我夢中の挑戦の結果として、あの感覚が得られるわけですから。

 

人生のゴールを設定して、そこに向かって挑戦し続けることで、僕らは今この瞬間を生きることができます。

サーフィンで感じることができる完膚なきまでの『今を生きる感覚』は、僕らが目指すべき一つの指標になると思いますね。

 

どんなに試行錯誤しても『今を生きる』に近づいている気配がないのであれば、それはものごとの考え方(思考パターン)そのものに問題があるのかもしれません。

自分に対する執着が強いと、マインド(思考)は「自分の考えは間違っていない」と思いたがるわけですが、本来のあなたと、成長過程で形成されてきたあなたの思考パターンというのは別物だったりします。

 

 

最後にジョン・カバット・ジンのこの言葉で締めくくりたいと思います。

 

You are not your thoughts.
「思考と同化するな!」

 

それでは〜

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